太りにくい人が意識している、健康的なお昼ご飯の考え方

お昼ごはんで“太りにくい人”が選んでいる3つのポイント

― 毎日の体調と働きやすさを守るために ―

🔎 はじめに

お昼ごはんって、いつも同じように食べているようで、
実はちょっとした工夫で、その日の体の軽さや集中力に大きく影響してきます。

特に歯科衛生士さんのように、
立ち仕事・細かい作業・患者さんとのコミュニケーション が多いお仕事では、
午後の体調管理は重要です

今日は、医療現場でも安心して使える
エビデンスに基づいた「太りにくいランチの選び方」 を、
まとめてみました

① 日本人はたんぱく質が不足しやすい

たんぱく質は、

  • 筋肉の材料
  • お肌・髪・爪の材料
  • 代謝を落とさないための土台

など、体を整えるために欠かせない栄養素

でも、国民健康・栄養調査では、多くの人が
推奨量に届いていない ことが分かっています。

さらに、たんぱく質には 「食事誘発性熱産生(食べた後に体が温まりやすい)」 という働きがあり、
脂質や炭水化物より エネルギーを多く使って消化される のが特徴です

💡 「できれば毎食、たんぱく質を1品プラスする」
これだけでも、体調がかなり安定しやすくなります。

🌿 ② 主食が多い日は“脂質を控えめ”がコツ

丼もの・ラーメン・パスタ…。
忙しい日にどうしても選びやすいメニュー

ただ、これらに 揚げ物やクリーム系の脂質が重なると
一気にエネルギー過多になりやすいです。

少しだけ軽くする工夫の例:

  • かつ丼 → 親子丼にしてみる
  • クリームパスタ → トマトソースや和風にしてみる
  • ラーメン+チャーハン → ラーメン単品+ゆで卵や野菜トッピング

🍀 大切なのは「がんばって我慢する」より、
「組み合わせで軽くする」 という考え方です。

🥗 ③ 食べる順番は“ベジタブルファースト+たんぱく質”

食べる順番を変えるだけでも、
食後の体調が整いやすくなります。

おすすめの順番は…

  1. 野菜・海藻・きのこ
  2. たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)
  3. ごはん・パン・麺類

野菜を最初に食べると、食物繊維が胃腸にクッションのような役割をしてくれます。
そのあとにたんぱく質が入ることで、
血糖値の急上昇をゆるやかにしやすい といわれています。

これは、「血糖値だけでダイエットが決まる」という話ではなく、
血管や体調を守るための、無理のない習慣 という意味です。

🌸 無理のない範囲で、まずは
「最初の3口だけ野菜にする」
これだけでも続けやすいと思います。

🌼 ④ まとめ:今日から1つだけ始めるなら?

いきなり全部を変えなくても大丈夫です。

まずは、次のどちらか1つだけでも十分です。

  • お昼にたんぱく質を1品足してみる
    (卵・魚・鶏肉・豆腐・ヨーグルトなど)
  • 最初の3口だけ野菜から食べる

このどちらかだけでも、
午後の体の軽さや、仕事のしやすさが少しずつ変わってくると思います。
できるところから、始めてみてください

📚 参考文献

Halton, T. L., & Hu, F. B. (2004).
The effects of high protein diets on thermogenesis, satiety and weight loss: A critical review.
Journal of the American College of Nutrition, 23(5), 373–385.
https://doi.org/10.1080/07315724.2004.10719381
高たんぱく食が「満腹感」「体温上昇(熱産生)」を高める可能性についてまとめたレビューです。


Imai, S., Kajiyama, S., Kitta, K., Miyawaki, T., Matsumoto, S., Ozasa, N., Kajiyama, S., Hashimoto, Y., & Fukui, M. (2023).
Eating vegetables first regardless of eating speed has a significant reducing effect on postprandial blood glucose and insulin in young healthy women: Randomized controlled cross-over study.
Nutrients, 15(5), 1174.
https://doi.org/10.3390/nu15051174
「最初に野菜を食べる」ことが食後の血糖値とインスリンをゆるやかにする可能性を示した研究です。


Shukla, A. P., Iliescu, R. G., Thomas, C. E., & Aronne, L. J. (2015).
Food order has a significant impact on postprandial glucose and insulin levels.
Diabetes Care, 38(7), e98–e99.
https://doi.org/10.2337/dc15-0429
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4876745/
食べる順番(野菜・たんぱく質を先にするなど)が、食後の血糖値やインスリンに与える影響を調べた論文です。