第1章|「ストレートネックって何?」は、実は難しい

「ストレートネック」──
 一度は耳にしたことがあるかもしれません。

けれどこの言葉、実は医学用語ではありません。
あくまで、レントゲンで見た首のカーブ(生理的前弯)が失われた状態を表す“見た目の名称”にすぎません。

でも、多くの人がこの状態で、

  • 首や肩のこり
  • 頭痛
  • めまい
  • 手のしびれ
    などに悩まされているのも事実です。

「ストレートネック=原因」
「治す=カーブを作ること」
と単純に考えてしまいがちですが、
実はそんなに単純ではありません。


🔍 大切なのは、“構造”としての理解

ストレートネックとは、首の骨(頸椎)のカーブがなくなった状態。
でも、これ自体が「悪い」わけではありません。

問題は、首の本来の役割が果たせなくなっていることです。

首の骨のカーブには、

  • 頭の重さ(約5kg)を分散し、
  • 衝撃をやわらげ、
  • 動きの自由度を高める、

という大切な役割があります。

このカーブが失われると、
本来、全身で支えるはずの負荷が、首まわりの筋肉に集中し、
結果的に痛みや不調へとつながっていくのです。


📎 見た目の“真っすぐ”ではなく、機能の“破綻”が問題

つまりストレートネックとは、
「首の骨が真っすぐ」という形の問題というよりも、
「首が首として機能できていない」という構造の問題

ここを見誤ると、
・とりあえず首だけ揉む
・首だけに注目したストレッチ
…という場当たり的な対処になってしまい、
根本的な改善につながらないことが多いのです。


次章では、
「なぜ“首だけ”では改善しにくいのか?」
について、もう少し深く掘り下げていきます。