「ストレートネック」──
一度は耳にしたことがあるかもしれません。
けれどこの言葉、実は医学用語ではありません。
あくまで、レントゲンで見た首のカーブ(生理的前弯)が失われた状態を表す“見た目の名称”にすぎません。
でも、多くの人がこの状態で、
- 首や肩のこり
- 頭痛
- めまい
- 手のしびれ
などに悩まされているのも事実です。
「ストレートネック=原因」
「治す=カーブを作ること」
と単純に考えてしまいがちですが、
実はそんなに単純ではありません。
🔍 大切なのは、“構造”としての理解
ストレートネックとは、首の骨(頸椎)のカーブがなくなった状態。
でも、これ自体が「悪い」わけではありません。
問題は、首の本来の役割が果たせなくなっていることです。
首の骨のカーブには、
- 頭の重さ(約5kg)を分散し、
- 衝撃をやわらげ、
- 動きの自由度を高める、
という大切な役割があります。
このカーブが失われると、
本来、全身で支えるはずの負荷が、首まわりの筋肉に集中し、
結果的に痛みや不調へとつながっていくのです。
📎 見た目の“真っすぐ”ではなく、機能の“破綻”が問題
つまりストレートネックとは、
「首の骨が真っすぐ」という形の問題というよりも、
「首が首として機能できていない」という構造の問題。
ここを見誤ると、
・とりあえず首だけ揉む
・首だけに注目したストレッチ
…という場当たり的な対処になってしまい、
根本的な改善につながらないことが多いのです。
次章では、
「なぜ“首だけ”では改善しにくいのか?」
について、もう少し深く掘り下げていきます。